庄内協同ファームだより

トップページ > 庄内協同ファームだより > 庄内協同ファ-ムだより 2002年10月 発行 No.89

毎年一年生!

余目町  阿部 正雄

この間まで「暑い暑い」と言っていたのに、最近は「寒い寒い」に変わってきた。
季節の流れが早く感じるのは、歳をとったせいだろうか?稲刈りも終わり、ほっと一息つく間もなく生産調整で転作田に栽培した大豆の刈り取りが始まった。今年は8月から雨の日が多く稲刈も昨年より一週間程遅くなっているからか何か慌しい。

8月の出穂の後に続いた雨のせいで新しい病気を知った「米こうじ」というものらしい。稲穂に何か黒いものがついているのが多くみられ、何だろうと先輩の方に聞いてみると「米こうじ」というものだと教えられた。出穂の時に雨が続くと出来るものらしい。「米こうじの出来る年は豊作だ」という話も耳にしたが、結果はあまりよくなかった。

「米作りは毎年一年生」そんな言葉を思い出した。一年に一度しか作れない米、その年の天候や生育に合わせ稲作りをしていく。毎年同じものは出来ない。また、来年に向けああしよう、こうしようと考えながら準備を進めていく。
稲刈りの終わった田んぼには、もう冬の使者、「白鳥」が落穂をつばみにやって
きている。雪に大地がおおわれる前にもうひと頑張り。

スケッチ

三川町 芳賀 和子

白鳥の甲高い声に目を覚まし、まだ薄暗い早朝、隣の村の斎藤さんのハウスに向かいます。ハウスの中は薄緑色の菜の花が葉を大きく広げて育っています。春に油を採る菜の花とは違う品種で、秋に葉を食べる菜の花です。特別養護老人ホームへ菜の花を届ける当番の日、収穫するのは、柔らかい葉のところ。露地の畑と違い、露にぬれないで収穫できるのがありがたい。

町の花、菜の花を植え、学校給食に届ける活動をしているみず穂会に入っています。今年は会の役員になっているため、菜の花を役員10名で栽培しています。8月25日に播種、この日は曇り空でにわか雨も降り、真夏の作業にしては畝をつくる鍬を持ってもありがたい涼しさでしたが、この日から10日間も雨が降らず、カンカン照りの太陽が、やっと出てきた芽を枯らしていく。

気温の低くなる夕方に水をかけたり、小さな育苗カップに種をまき直して植えたりと、思わぬ作業で大変でしたが、10月10日から特別老人ホームや小中学校にも届けることが出来ました。私の小さなハウスにも、冬の間の野菜を少し蒔きました。春菊、チンゲンサイ、ターサイなど鍋物に向きそうな葉物、それと菜の花も。

近くの大学に通っている長男の学校の文化祭があり、行って来ました。学校祭の準備で毎日毎日、朝方に帰ってきては、仮眠し又準備へ行っていた息子に、「やっているかい。」と一声かけるつもりで見に行きました。
着くとすぐ「これからチェロとピアノのコンサートが始まります。」の館内放送、まずはこれをきかなっくちゃと大教室へ。お話を交えた生の演奏は素敵でした。チェロの音は人間の声に近い音なんだとか、心にしみる心地良い1時間30分でした。

庄内平野を見下ろす月山、鳥海山も冠雪を頂き、収穫の終えた田圃に、白鳥が落ち穂をついばむ姿が見える季節となり、加工場も新米でのもちつきが始まりました。夏の間、稲や枝豆の作業に汗していたメンバーが加工場に集合。活気があふれる毎日となっています。
米の精米、洗米、餅つき、袋詰め、出荷作業まで、それぞれが頑張って作っていますので、よろしくお願いいたします。

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