[1]に家族。[2]に仕事。
澄み切った青空にサーッとひと刷毛はいたような白い雲が、真夏になったことを思わせます。いつの間にか短かった私の髪は肩まで伸び、顔や腕はまるで海に行ったかのように真っ黒に焼けてしまいました。素顔に自身のない私は化粧をしないで出掛けることなどなかったのに、笑顔こそ最高の化粧とばかりに、しみだらけの素顔で髪振り乱し動き回っていたのでした。
そんな自分の変化に気づきもしないほど、忙しい毎日でした。
私は仕事が好きで、自分の力量も顧みずあれこれと手を出してしまいます。そして、それなりに結果が出る面白さについのめり込んでしまいます。また駄目なら駄目でやっぱり闘志を燃やしてしまうのです。こんな私の性格に、ここ二ヶ月ばかり我が家の家庭生活はなかったも同然でした。
“私は私に問いました。”こんな生活でいいのかと。私が望んでいたものは穏やかで心豊かな暮らしのはずだったのに、漕げば漕ぐほど岸から遠ざかるような焦りを感じながら、思いは日々の忙しさに埋没してしまいました。
そんなある日私は体に不調を覚えました。この痛みには覚えがあります。5年前に研修先で緊急入院したときに似ています。「ヤバイ!」もうすぐ枝豆大戦争が始まるのに、私が倒れたら誰が雇用している人の管理をするの?誰が夫のサポートをするの?今は合宿でいない子供たちももうすぐ帰ってきます。あんまり期待してはいないだろうけど、母の手料理を食べたがっている家族の食事の支度は誰がするの?私は思い切って半日の休みをとることにしました。
暑い日でした。開け放した窓からは私の体をやさしく擦ってくれるかのような風が吹き流れてゆきました。
休息は大切ですね。4時間ほどの深い眠りから覚めた私はまだ痛みは感じるものの、やる気がふつふつと沸いてくるのでした。思うことはやっぱり仕事の事でした。いかん!いかん!見かけによらず華奢の私。認めたくはないけれど更年期もかかっています。今大事にしないとこれからの人生をつまらなくしちゃう。
[1]に休息。[2]に仕事。本当は[2]に家族のほうがいいのだろうけれど、やっぱり仕事がきてしまいます。ごめんなさい。
しばらくがんばって、[1]を家族にします。でもやっぱり2番目は仕事にさせて下さい。休息は[3]にして少しは身体を労しますから。