庄内協同ファームだより

トップページ > 庄内協同ファームだより > 庄内協同ファ-ムだより  1998年4月発行 No.41

スケッチ

志藤知子 藤島町 1998.4.24

 四季のうちでも春は、何か特別心弾む贈り物を運んでくるような響きがある。ものみな芽ぶ吹き、花ひらく新しい区切りの季節でもある。我が家でも、やぎが子を生み、カモが産卵を始め、ウド、ウルイ、笹竹、ワラビなど春の山菜が次々と食卓を賑わす。
 末っ子が高校生の仲間入りをし、今まで寮生活をしていた次男が自宅通学となって、去年一年休んだ弁当作りが復活して、朝の台所を忙わしくしている。  3月には、5時45分だった私の目覚まし時計は15分ずつ早くなって、今は5時15分。一気に早く起きれなくて冬の時間を惜しむように設定は、少しずつ早くなる。夏時間まであと15分。急に忙しくなった農作業にやっと追いついている私の体は、その15分を惜しんで、1日延ばしにしている。
 今年72才の母は私より早く起きて台所に立つ。高校生二人の弁当と、食事の支度を引き受けて、家事万端をこなす。農作業で忙しい私に替わって、自分のできる事で家の役に立ち、家族で助け合って暮らしていくことを心から望んでくれる強力な味方でもある。この母に支えられて、忙しいながらも人並みに子育てもし、春の節目を通り過ぎてきたように思う。
 労働の場と生活の場が同じである農家にとって、家族とうまく調和して暮らしていくことは、何よりも大事なことである。家族労働によって支えられる職業だからこそ、各々が持てる力を出し合って、一つの家を支え、生まれてくる新しい命を皆で育みながら世代交代が行われていく。核家族化が進み、多世代家族が減っていく中で様々の葛藤を抱えながらも、農家には、それがまだ自然な形として残っている。
 当面、私の役割は夫と二人で農作業をこなし、一家の経営を支えることである。四季の移り変わりを膚で感じながら時をすごし、あったかい自然も厳しい自然もそのままに受け入れながら、作物と共に育っていく自分を静かに見つめていたい。

スケッチつづき 

事務所 白沢吉博 1998.4.24

 今年は平年より気温が高いせいか、月山や近郊の山の雪も解け始めるのが早いようです。4月始めに集中雨があった時には雪解け水と一緒になった水が、加工場近くの赤川に注ぎ、あふれた水が野菜や大麦の畑を2日ほど水に浸れた日がありました。大きな被害がなくて良かったのですが、普通でない気温の高さを感じています。

今のところ暖かい陽気の日がつづいて、追われるように忙しい春作業の毎日です。種まきも終わりハウスでの育苗に入っていますが、今年は温度の高い日が多いので、発芽が順調に進んでいけるのか、根腐れや、葉焼けがおこらないか、苗として元気に育つのかと苗を気遣いながら育てています。

早いところでは、田起こしのトラクタ-が田圃の中を走って作業しているのが見えてきました。田起こしは冬の間、手を加えなかった土を起こして暖かい空気に触れさせ、土を活性化させる重要な作業です。その後は、代掻き作業に進みます。これは水を入れた田圃の中を整地する作業です。これらの作業がすんで、育苗期間を25日間くらい過ぎたころに田植えに入ります。

今年は苗の成長が早く庄内平野では5月5日頃から田植えが始まりそうです。代掻きあとの水を張った田圃が、小さな苗の緑に変わり日々成長し、濃い緑に広がっていきます。稲刈りの9月中旬まで平野一面の緑が気持ちを和ませてくれます。
 この時期においで頂ければ、穀倉地帯庄内の広がりを実感できるでしょう。

 まだエルニ-ニヨの影響がつづいているのか、日本海に異常発生した赤潮が庄内浜近辺にも最近流れてきました。日中、暑かった日の夜中に、海面の温度が下がった頃、浜辺で暗闇の海を見つめていると、白く砕ける波の上に夜光虫が幻想的に舞い現れては消えてゆく。そんな夜光虫の話が海辺の私の町でありました。



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