庄内協同ファームだより

トップページ > 庄内協同ファームだより > 庄内協同ファ-ムだより 発行 No.95 2003年4月

それぞれの春

鶴岡市 五十嵐ひろ子 4月30日

今年こそ、ゆっくりと桜の花を楽しみたいものだと思っていたのに、春の農作業に追われ、気づいてみると、もう、葉桜。
でも、新芽が萌えるこの季節の山々は、色々な緑が競い合い美しい。その中に、淡いピンクの山桜が満開になるのもこの季節です。
桜の花見頃を逃してしまった私は、畑へ軽トラックを走らせる道すがらこの山桜の風景を楽しんでいます。田んぼでは、トラクターがエンジンの音を響かせて、耕起、代掻きと忙しく早い所では、田植えも始まります。
メロンの定植が終われば、だだちゃ豆の播種と定植が同時進行で続き春は、何もかもが始動の季節です。

我が家も、この春は4人の子供達が、それぞれ動きだしました。長男の就農、長女の大学卒業都内へ就職、双子の次女と三女は、それぞれ仙台近くの専門学校、地元の看護学校へ進学。それに伴い、受験や、卒業式、入学式や引越しが重なり、バタバタと目の回る忙しさ。それを挽回すべく、農作業に追われ、桜を眺めている時期を逃したのも仕方のない事です。
自分の夢を実現するために、親元を離れ自立して行く子供達。それは一抹の淋しさはあるものの、親としての役割をある程度果たせたかなと夫と話すこの頃です。

18年前、双子の女子が誕生し命名する時、夫はだいぶ悩んだそうです。特別な思いがあったのでしょう。それで古代の織物に紗綾織りと倭文織りという織り方があり、その縦糸と横糸のように助け合って、生きるようにと、紗綾香と志津香と名付けたとか。

日曜日、ハウスで仕事をしていると志津香が手ぬぐいを首にかけ、長靴姿で「母さん何か手伝うよ」なんて私の仕事場に来るのです。双子の姉と離れて淋しいのかもしれません。
私は「めずらしい種があるんだけど種播き手伝って」と誘います。今年の2月に「らでぃっしゅぼ-や」の東北大会の母さん集会で仙台に行った時、野口種苗さんに頂いた色んな在来種の種です、この種を娘と一緒に播きたいと思ったのです。甘露胡瓜、沖縄ゴーヤ、丸型ズッキーニ、チコリー、ヒロバキクジシャ等々、ファームのお母さん達にも分けようと思っているところです。
種を播き、芽が出て、花が咲き、やがて実を付ける、農家と子育ては同じだなあ、と長男が運転するトラクターの音を聞きながら思う、春の一日でした。



ページの先頭へ戻る