庄内協同ファームだより

トップページ > 庄内協同ファームだより > 庄内協同ファ-ムだより 2002年6月 発行 No.86

日々 !!

野口吉男  藤島町

今年も半年を過ぎようとしています。春から天気の変動に悩まされている今日この頃です。
今はサッカーのワールドカップで盛り上がっていますが、国内は経済の停滞、政治への不信、食品への不信など多くの問題が噴出して何を信用すればいいのか判らない状況に陥っています。
このような中で私達は、いろいろ試行錯誤を重ねながら現在有機栽培の農産物を生産しているわけですが、誰もが、簡単に取り組める状況にならないもどかしさを感じています。早く確立した栽培技術を見つけたいと考えています。

6月11日に有機認証機関のアファスによる圃場検査と書類の検査が行われました。最初は家で台帳、作業日誌の検査と確認などをした後、雨の中、圃場の畝畔を回りながら検査を受け稲の状態、土の状態、周りの状態、水路などを詳しく見てもらいました。その後もう一度戻って稲倉などを見た後、去年の台帳や納品書の確認をして終わりました。毎年多くの台帳の記帳と毎日の作業日誌の記録、今までの農業にはなかったシステムに戸惑いはありましたが、3年目に入り新たな気持ちで毎日の記録をしています。

現在、有機栽培の稲のほうは、風とイネミズゾウムシに痛めつけられところをカラスに潰されなくなった稲も多くあり生育の遅れが見られます。6月8日にファームの米部会で圃場を回ったときにもいろいろ対策を取ったが(私の場合は、草刈を2回終了する)、イネミズゾウムシで田の周りが縁を取ったように白く見えるところがあり、皆これには本当に困っていることがわかりました。(カモの入っている圃場はきれいでした) 今後イネミズゾウムシを減らすためどうするか考えなければならないと思っています。 今年もトロトロ層による雑草の防除をやっていますが、現在ヒエとコナギ等が発生しています。去年より米ぬかを多めに散布したがこれからの雑草の発生度を注目し来年に向けての対策を考えるつもりです。

6月17日に今年初めて除草機を押しました。暑い中田の中を歩くのは大変きつい作業で100m歩いては汗を拭き拭き押しています。いかに普段歩いていないかあらためて思い知らされています。除草機を押しながら稲を見るとイネミズゾウムシに変わりイネドロオイムシ、イナゴがついていました。雑草のほうは思ったより発生している面積が少なくホッとしています。これからも収穫までにはいろいろあると思いますが気を引き締めて取り組みたいと考えています。(このようにして見ると、昔の人は農薬や除草剤もない中で毎日大変な苦労をして栽培していたことが改めて思われます。) 6月14日、15日にファームの研修があり、農家のライスセンター、加工施設、宿泊施設、また食品加工会社、酒造会社などを見学する。地元にいながら見ることのなかった施設なども見ることができ、地元にも知らない所が在ることを考えさせられました。

スケッチ ~私にとって絵を書くと言うこと~

鶴岡市 五十嵐ひろ子

今年、我が家では90aの水田を紙マルチの田植にした。周りの田んぼと比べるといくらか生育が遅れているように見えるが、紙マルチがしっかりと雑草の生育を抑えているという確かな安心感がある。重労働だった田植作業も、青々と広がる田んぼに癒される感じである。
 そんな我が家の田んぼを横目に見ながら今日は、学校へと車を走らせる。
 2年程前から地元の小学校の図工の授業で絵の指導をしている。というよりも一緒に楽しんで絵を描いているというほうが正しい。学校が週休二日制にになり、地域の人達とつながりを持ちながら、ゆとりある教育ということなのだろう。

 全国的に子供の数が減少している中、例にもれずこのこの小学校の生徒数も年々減少しており、全校生徒数が100人を切っているとのこと。
 職員室で挨拶をして、一年生の担任の先生と教室に入ると、目をまんまるにしてみんな緊張した表情だ。でも本当は私のほうがもっと緊張しているのだ。
 一年生は赤川の花火大会に出品するポスターを描くのだが、筆は使わず、パレットに絞った絵の具を指につけて書くという方法にする。紺や灰色等の濃い色の色面用紙を配って、さっそく真新しい絵の具で色づけされていく。赤、黄、橙、子供達は顔や髪まで絵の具を付けながら大奮闘して個性的な絵が出来上がった。  子供たちの絵から学ぶことはとても多い。今井繁二郎先生は、生前に「君達の絵に足りないものは遊び心だ。子供達の絵から学びなさい」とよく話しておられた事を思い出す。
「筆洗い用の黄色いバケツには水を入れ過ぎないようにしなさい」と先生の言葉も空しく、バケツにいっぱい水を入れ、たっぽん、たっぽんとこぼしながら行くB君の後から、ズボンを膝までまくり上げて裸足で雑巾を拭きながら追いかける先生。体格のいい男の先生は汗まみれになって奮闘する姿に私も思わず苦笑する。

 後日、先生からA子ちゃんのポスターがコンクールで入賞したと電話をもらったときは本当に嬉しかった。
5,6年生は『動きある人物の書き方』ということで、スポ少のサッカーやバトミントンの場面を絵にするのだが高学年ならばある程度デッサン力も期待したいと思った。下描きした絵を見せてもらうと体の割に腕や足が短いので、絵全体が貧弱になっていた。顔の表情とか手や足をしっかり描く事により、画面全体が引き締まったものになる。意を決して私は、こういった「君達が描いている腕の長さでは、男子はオシッコする時チンチンに手が届かないぞ!」。笑いをとるかをかうか。結果は上々だった。担任の女の先生も笑っていた。

こんな風に地域の人達とかかわり合いながら華の40代も過ぎようとしている。
この頃強く思うのは、描きたい絵の方向性がぼんやりながら見えてきたこと。農業をやっていて自然の中から感じとれる風、光、匂いを表現できたら素敵だ。
本業は農業である。認証を得ての米作りがあり枝豆があり、漬物加工がありメロン、へちまがある。これからの50才代はがむしゃらに働くだけでなく、美しいものを美しいと感じる感性を持ち続けながら、ゆったりと暮らしたい。



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