庄内協同ファームだより

トップページ > 庄内協同ファームだより > 庄内協同ファ-ムだより 2001年10月 No.79

こんにちは、石垣憲一です

余目町   石垣 憲一

私は5年程前から庄内協同ファームに準組合員として指導を受けたり、圃場見学に参加したり、今年から正組合員になりました。米作りを主にし、ハウス6棟にスットクとトルコギキョウ、減農薬・無袋の桃、5000個の菌床椎茸栽培、ずいき・アスパラ菜など野菜を少々作っています。
 土にまみれて働く両親の背中で育ち、「作物を作らんとすれば根を作れ、根を作らんとすれば土を作れ」と教えられ、長年、土作にこだわって農業をやってきました。特に、昭和の終わり頃に、化学肥料や農薬による土の変化に気づきました。また、我々の作る農産物が多くに人々の健康を左右する事を重く考えるようになり、平成元年から有機肥料・減農薬栽培に転換しました。
自然を相手に有機肥料100%になるまで、沢山の失敗を繰り返しました。長い間、有機栽培の難しさの克服と同時に良い有機肥料を求め、ようやく3年前から、なんとかやれそうな方法と納得のいく肥料を手にする事が出来ました。
農法については、木酢液(木炭を作るときに出る液)の使用に切り換えました。木酢液は薬ではないので、殺虫能力はありませんが、害虫や病気を近付けず、作物の成長を促し、床をよくする働きなど、研究者によって報告されています。農薬のような威力の無い分は、田圃を見回り、草刈、バイド(田圃の中に水路を作る)、水加減の調節など、人手で補い、作物と会話をし、一喜一憂しながら育てています。
 しかし、頑張っても自然の猛威には勝てず、一昨年はカメムシの害をかなり受けてしまいました。それでも沢山の方が、農薬で汚染された米より安心だと喜んで食べてくださいました。そんなお客様たちに助けられ励まされ幸せに涙が流れました。
これからも、よい環境の中で育て、安心して美味しく食べられる作物作りにこだわった農業をやっていこうと思っています。

量より質の楽しい農業を

稲の刈り取りを前に、実行組合の坪刈りが行なわれました。どこの集落でも毎年行なうもので、収量を競う行事です。自分の田圃の中で最もよく出来たところ、ここぞという自慢の場所を指定し、みんなで一坪(3.3㎡)の稲を刈取、収量を競い合うのです。今年も収量では最下位でした。平均収量630kgのところ、我が家は555kgでした。天候に恵まれたけれども、去年と同じでした。でも、籾の手触りは「さらさら」し「ビシッ」として稔り方はよく出来たようです。

私も以前はいつも上位に入賞し、何度も優勝しました。収量では負けまいと頑張り、工夫もし、自慢でもありました。ところが、安全で美味しい米を作ることが大事である事に気付き、栽培方法を変えてからは、優勝も上位入賞にも関係のない話になってしまいました。農薬・化学肥料を使用しない農業を目指すようになってから、農業が楽しくなりました。春、有機肥料を投入し、稲が必要な時だけ吸収し、木酢液で病気や害虫をよせつけないようにし、水のかけ具合で稲の生育を調整するやり方は自分に合っているようです。喜んでくださるお客さんの声はいっそう意欲を膨らませてくれます。

楽しい農業を後継者に

私が農業を始めた頃は、職業として夢も希望ももてる魅力がありました。ところが、米あまり、減反、米価安、輸入作物増大など問題が山積し、農業離れがすごいスピードで進んでいます。多くの若者は、外の産業に職を求めて集落から出て行きます。でも、視野を広げてみれば、食料は不足しているし、経済性や見た目を優先する現在の食料生産など問題だし、農業が担わなければならない大事な役割を考えた時、やりがいのある職業としてやっていける仕事だと思います。「農業のやりがいと楽しさを見いだし、それを後継者に伝えたい」と願って、息子を後継者に育てたいと思っています。 こんな石垣憲一をよろしくお願いいたします。

スケッチ

余目町 富樫裕子

庭の柿の実も色づき、鳥たちがさかんについばんでいます。庄内柿は渋柿のはずなのに、木の上の方はすっかり渋が抜けて、おいしくなっているのでしょうか。昨年の今頃は、舅が毎日腰に籠をぶら下げて柿もぎに精を出し、「裕子。今年のおまえの贈る分はどれくれだ!!」と私の友達の分も作っておいてくれた事を想い出します。今年の5月に、3ヶ月あまりの闘病生活を送った後、突然いった義父。あまりの忙しさにゆっくり悲しんでいる暇なんてなかったけど、私の好物のぶどうの品種もちゃんと覚えていて、食べきれないほど買ってきてくれたり、妙に細かい事まで気がついて、孫である2人の娘達をとてもかわいがってくれました。雪が降ってもう少し心にゆとりが出来たら義父と暮らした25年の月日を想い出したいと思います。

夫の担当の稲の方は、終盤にさしかかり、後は倉の中でお米にするばかり。私の担当のスットクの花は明日が初出荷で、これからが本番です。お互いに手伝いながら、今年もお正月まで忙しい日が続きそうです。



ページの先頭へ戻る