庄内協同ファームだより

トップページ > 庄内協同ファームだより > 庄内協同ファ-ムだより 2001年5月 発行 No.74

楽しい農業を目指して

小野寺喜作  鶴岡市

4月中旬頃鶴岡公園の桜の開花も一気に進み、葉桜になってしまった夜、花見を兼ねた「ミ ニゼミ」が開かれた。
テーマは「環境問題の解決に果たす市民運動の役割」(水俣病の問題を 中心として)」というタイトルで、現在岩手大学大学院連合農学研究科の学生から発表しても らった。アグリフォーラム鶴岡の会員、山形大学農学部の先生と学生、団体職員あわせて2 0名の参加者で行われた。

主催の「アグリフォーラム鶴岡」は平成8年に、農業に関わる人々が自由に集い、地域に 貢献していこうという目的で発足した任意の団体で、私も発足当時から入会している。現在 26名の農家と5名の特別会員(山大の先生)で構成され、市役所の農政課に事務局をおい ている。これまで、地域住民を対象にした講演会(幸田シャーミン・クロードチアリ・森田 正光等)や映画上演(原野の子)・落語とだだちゃ豆の夕べの開催。市内6つの中学校に、花 束を贈る事業。会員相互の交流と研修、地元の大学の先生や学生との交流を兼ねたミニゼミ 等を実施してきたユニークな団体だ。

水俣に関しては、反農連の甘夏みかんを共同購入したり、東京水俣展へのカンパ、ビデオ テープの購入等、庄内協同ファームとしても関わってはきたが、今回のミニゼミで、水俣病 について改めて問題の根深さと、私たちにとっても身近な問題として考えることができた。 日本の高度経済成長と石油エネルギー資源への転換の国策のもとに、問題を先送りしたこと が多くの犠牲者を出し続けてきたのだ。水俣病という問題から、普遍的な価値を求める市民 運動への展開、環境問題としての解決への模索、ゴミの21種類分別(現在は23種類)、地 域環境協定、環境マイスター制度等で、様々な環境問題に先進的に取り組む水俣の現在が発 表者から紹介された。発表のあと花見酒(?)をくみかわしながら活発な意見交換が行われた。

“水田のダムとしての保水機能、農業は環境をこわしながら保全もしている面があるが、農 薬の使用、化学肥料の使用量は世界平均の20倍と異常に多く使用している問題がある。”“自 分としては、あまり農薬等使いたくないが、消費者や流通関係から見た目のよい、虫の害の ないものを求められているし、価格がとれないのでしかたなく(必要悪)使っている。

“完 全な有機はムリだ。農薬や化学肥料を使わないで済み、資材××を開発してほしい。”“農業 も農薬等で環境に負担をかけていることを認識し、できるだけ減らしていこう。”“楽しい、 消費者から喜ばれる農業をめざそう。”etc.  夜7時から始まったミニゼミも、酒をくみかわしながら12時をまわっていた。農業の環 境問題に関してこの会でこんなに話しが盛りあがったのははじめてだ。少しでも、農薬や化 学肥料を減らし環境にやさしい農業者が増えていくことを実感した。

スケッチ

芳賀和子  三川町

新緑が美しい季節です。田植えが済み、水を満々と貯えた田んぼが太陽の光りを受け、き らきらと輝いています。
庄内平野の南に横たわる月山の中腹から見渡すと、点在する村々と 合間ってそれはそれはすばらしい景色です。 毎朝、朝ご飯の支度は私の係りなのですが、枝豆やへちまの播種と定植のこの時期は義母 にお願いして、朝仕事から外に出ます。 が、なにせ朝の弱い私のこと、今朝も外に出たら、 もう、ずいぶんとお日様が高く昇っていました。かっこうやひばり、すずめの声に混じり、 きじがからかうように間高い声で鳴いています。

急いで12坪ほどの小さな育苗ハウスに向か います。中には、4月末に播いたへちまの苗が双葉を開き、2葉が出てきたところ、6月1 0日頃に植付けるのは、もう少し大きくなってから。その横には、1週間前に播いた、だだ ちゃ豆の中でも、8月のお盆の頃に収穫の、庄内3号の苗が、ちょうど植え頃です。水をた っぷりと吸わせ、トラクターで耕した田んぼに植えていきます。一本一本並べては植えてい く、腰の痛い作業です。なんか去年より腰が痛いようだと言う私に、「年ひとつとったからな ー。」と笑う夫。そんな夫の歩く後姿もなんかおかしい・・・・。もう少し、6月中頃まで頑 張って! その後、除草のための耕起、虫よけのための唐辛子エキスでの防除など、収穫ま で管理作業になります。 夏の庄内の味だだちゃ豆、このおいしい枝豆を育て守り、私たちに伝えてくれた先人に感 謝し、腰の痛みもなんのその、植え付けて行きます。

もうひとつ、庄内の5月の味をご紹介しましょう。笹まきです。もち米を熊笹の葉で三角 に巻き、ゆっくりと煮て、黒蜜ときなこをまぶして食べる郷土食です。 地域であく汁で煮る所、タンサンをいれて煮る所、なにもいれず白く仕上げる所と、庄内 でも色々ですが、この辺はタンサンを入れうすい黄色に仕上げます。昔はどの家でも作って いましたが、大鍋で長時間煮なければならないせいか、なかなか作る家は少なくなりました。

それでも、家を離れた子供たちや親戚に、毎年送るものを近所から頼まれ、ファームの笹ま きは義母が巻いています。私も義母に教わり、巻いてみましたが、三角にならなかったり、 端からもち米が出たり、煮上がりが軟らかすぎたりで、まだまだ満足のいくものは出来ませ ん。これから何度が挑戦してマスターしたいと思っています。 庄内が全国に誇れる伝統の味を私たちも守り、次代に引き継がなければと思います。今後とも どうぞよろしくおねがいします。



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