庄内協同ファームだより

トップページ > 庄内協同ファームだより > 庄内協同ファ-ムだより 2001年 3月 発行 No.73

有機認証二年目の生産者

小野寺 仁志 鶴岡市

大雪に見舞われた冬も終わりを告げるように、最上川河口付近に飛来していた白鳥が旅立っています。また、風は冷たいものの陽はやわらかく、川の水もぬるみ、まさに春を感じさせます。

昨年、庄内協同ファームで農業版ISO14001とも言えるシステムを導入して有機認証をする認証団体のアファスから有機認証(システム認証も含め)を得、そのお披露目も兼ね3月10日に第1回庄内協同ファーム生産者集会を行ないました。 授与式・経過報告、各責任者から活動報告がなされた後、認証を得た生産者から苦労話や失敗談を交え有機栽培に取り組んだ報告がなされ、盛大のうちに報告会が終わり、午後から2名の先生方から御講演をいただき、有機栽培の意義と重要性を改めて知らされ、春からの生産に積極的に取り組む事を皆で確認しました。

私個人も昨年、水稲50㌃、枝豆55㌃、黒豆120㌃ほど有機栽培に挑戦しました。(他は特別栽培です) 作付け・栽培方法の計画を作成し、ある程度それに沿って作業を行なうのですが、他からの汚染がないように機械・器具の掃除や洗浄、周囲の圃場・生産者に気を使ったりお願いしたりと今まで以上に、周辺の協力を得なければ出来ない栽培法と思いました。

それに毎夜、第三者から有機認証が証明できるようにチェック項目を漏れなく農作業日誌に記帳、栽培実績台帳に必要事項の記入をしなければなりません。そして、監査員が栽培実績台帳を確認の上、始めて有機栽培農産物として認証できるのです。(この他に生産者台帳、出荷台帳、環境台帳等がありますが、ここでは略します)

今までとは違い記帳・記録に係る時間が多くなり、最初はこんな大変な事出来るのか不安でしたが、これほど几帳面に記録を取るのなら、逆にこのデータを利用しない手はないと発想を変え、コンピュタ-で管理を行ないデータベース化しています。それが2~3年後に営農活動、栽培技術の向上に結ぶのではないかと思っています。 今年も、もうスタートしています。消費者のみなさんの励ましを糧に更なる向上をめざし有機栽培に取り組みたいと思います。

庄内協同ファーム体験記

伊藤千枝 鶴岡市

私は去年の11月から今年の3月まで、アルバイトとして庄内協同ファ-ムにお世話になりました。お先真っ白の地吹雪の中、車で1時間近くかかるこの職場を選んだのには理由がありました。

去年、農作業の経験のない母が、初めて枝豆作りに挑戦しました。農家の人に教えてもらいながら、悪戦苦闘の末、夏には立派な枝豆ができました。朝から夕方までかかって枝をひっこ抜き、サヤを枝からはずして親戚や友人の家へおすそ分けに行きました。 私も一度手伝ったのですが、予想以上の重労働。くたくたになり、「もう二度とやらない」と心の中でつぶやいた程でした。しかし、母には疲れより、収穫の充実感、自分の作った枝豆を「おいしい」と喜んでもらえたうれしさの方が大きかった様で、とても生き生きとしていました。

自分の作ったものを「おいしい」と食べてもらえる喜びと充実感。庄内協同ファームにはそれがあったのです。自分の仕事にやりがいを感じている人達と一緒に働いてみたいと思いました。そんなファームを支えているのは、太陽の様に明るくほがらかなお母さん達。そしてその太陽に少々押され気味ではあるけれど、男気のあるおおらかなお父さん達。お互いの大変さ、喜び、夢をわかち合える夫婦の姿がありました。「夫婦っていうよりは同士っていうかんじだの-」という言葉になるほど、納得。(将来、どんな人を結婚相手に選ぶべきかもかなり参考になりました。)

さて、先日、慶応大学の教授が講演会でこんなことを言っていました。目まぐるしく変化する現代社会で、今一番必要なのは『地域に住む自分達が、楽しみながら自分達の夢を実現するという理念だ。』 “安全でおいしいものを作り、届けたい”そんな夢からスタートした庄内協同ファーム。皆さんの働く姿は、夢をもつことの大切さ、明るく生き生きと働くことの素晴らしを教えてくれました。5ケ月という短い期間でしたが、貴重な体験をさせて頂きました。この場をお借りして、庄内協同ファームの皆さん、本当にありがとうございました。そして、ファームのお米やおもちを買って下さった皆さんの元へ「おいしさ」という喜びと幸せが届きます様に。

旅立ち”も又、春

後記——事務局(T・S)

職に就く子、進学する子、各々に、新しい芽が息吹くことを願って、あと何日と、別れの前のひと時を愛しむ春。忙しく旅支度に追われながら、話しておかなければならないことを伝え忘れたような気がして傍を離れがたい親心。子の旅立ちを手助けできる幸せと、淋しさをかみしめながら、春作業へと向う。

春のやわらかな陽ざしと、顔を出し始めた大地が、私たちのエネルギ-を呼び戻す。やわらかな春の陽ざしが雪を溶かし、春の雨が雪を流す。あんなに降り積もった雪が、一気に呑み込まれるように姿を消し季節は確実にもう春。百姓にも再び春。人の命を育む農業がすたれていいはずがない。”身土不ニ”。改めてこの言葉の意味をかみしめ、又、元気をふりしぼって、大地に向かおう。 “いらっしゃい、春!!”



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