庄内協同ファームだより

トップページ > 庄内協同ファームだより > 庄内協同ファ-ムだより 2001年12月 発行 No.81

すごい1年だったなーと思う今年もあとわずか。

代表理事 佐藤清夫

今年1年の協同ファームを振り返ってみます。近年暖冬のせいか、たいした雪もなく過ごしてきたのに、1月、2月の地吹雪はかなりの激しさでした。3月、組合員の作付け会議を拡大した生産者大会を催し、今年の庄内協同ファームの事業の大枠と方向付けが確認されました。6月、新加工場に引っ越し、事務所移転、7月には加工設備の移転と竣工祝賀会、竣工記念シンポジュウムを開催しました。その時にはたくさんの方々から励ましの言葉を頂き嬉しく思い、私達一人一人の決意が今まさに問われていく事になると思いました。

5月、6月は天候に恵まれ稲作や畑作物が順調に生育し、7月後半は気温が高く、ほとんどの作物の出荷が早まりました。8月になるとすごしやすい日が続き、だだちゃ豆は糖度の乗りも良く、後半にはアブラムシの発生が多く、唐辛子エキスを何度も散布しました。重い防除のホースを担いでの作業は辛いのですが有機栽培の為にとみんな頑張りました。9月の稲刈はカメムシの発生をとても心配しながらの作業ですが籾摺りの段階にならないと結果は判らなく、すくい取り調査をしたり地元の農協や生産組合組織に申し入れをしたりしました。 10月にはもう新加工場での餅つきが始まり、新しい環境での段取りや予測が呑込めずに苦労しました。11月12月には庄内協同ファーム餅製造の最盛期に入りました。 しかし世の中はとんでもない事件の連続で、アメリカの同時多発テロ事件は全世界の人々を震撼させ平和な世界が一夜にして崩れ去るのを目前にした事で、人間の存在そのものの在りようを考えさせられた事件でした。その影響で日本では倒産に追い込まれた企業が出ました。そしてアメリカのアフガニスタンに対するテロへの報復攻撃が始まりました。その報道をテレビで見ていると、人類の歩んできた道は進歩なのか後退なのか訳わからない気持ちと、悲しい気持ちになってしまいました。

そして今度は狂牛病(BSE)です。確かに食べる消費者の安全は守られなくてはならないのですが、後手後手に回った国の施策が牛を飼っている農家の苦しみを益々大きくしているのではと、苛立つだけでした。スーパーや生協では牛肉の販売高が急落したと嘆き生産者は風評被害があり、年を越す直前の今、泣くに泣けない状況に立たされていると思いますが、その責任は一体誰にあるのでしょうか。まさに日本経済の凋落と日本の政治体制の脆弱さが突出した年だったと思います。

そんな中でイチローと高橋尚子さんは日本人に夢を思い出させてくれたのではないでしょうか。救われる思いでした。自分を信じて日々の課題を克服し夢を達成する二人の生き方は、すがすがしい気持ちにさせてくれます。俺も頑張ろう、協同ファームも頑張ろうと。

今年もたくさんの協同ファームの加工品、農産物をご利用頂き本当に有難うございました。これからもどんな世の中になろうともこのような食べる人、作る人、まちびと、むらびとの良い関係を継続して頂きたいと思っています。身体に気をつけてお互い元気ですごしたいものです。よいお年を。

種を採る

鶴岡市 五十嵐良一

「基本的に稲は自家授粉をして種子を残すのだが、条件により花粉が数キロメートルも飛散し、他品種と交雑する場合があり、黒米の花粉が3km離れた地点で交雑し、ウルチ米種子の形質の中に10%程度認められたものがあり、又、モチ米の種子80数種調査のうち純粋種は23種のみ。」

先日開催された、「手をつなぐ無農薬、有機稲作農家」の全国交流集会「遺伝子組み替え育苗問題」分科会席上での報告です。br> 庄内協同ファームでは昨年より有機栽培の認証を受けた餅加工にも取り組みはじめました。私の有機栽培でわのもち60aも収量に課題は残したものの、42.5俵と27㎏、そして種籾用60㎏を残し、なんとか無事に収穫調整作業も終え、11月23日勤労感謝の日に例年どおりに「田の神あげ」をして家族で餅をつき喜びあいました。 翌日には、庄内協同ファームで稲作の栽培実績検討会を行い、有機栽培について種子消毒や育苗床土、育苗方法、そして合鴨水稲同時栽培、米ヌカボカシトロトロ層での栽培、米ヌカペレットでの除草、不耕起のトロトロ層紙マルチ栽培、有機肥料の肥効結果、食味値の分析結果など1年の成果を報告してもらい来年に向けての反省点、改善点、課題など話し合われまとめました。

私も春からの作付けに当たり課題を設けていました。もち米の有機栽培の種子を次年に備え自家採種してみるという事でした。JAS法では、採種も「有機栽培された種子を用いなければならないとあり、ただし書きがあって「通常の方法によって入手が困難な場合はこの限りではない」となっています。
しかし、何とか有機種子を自家採取したいと思い、昨年迄の種子消毒、温湯浸法57℃7分を60℃まであげ、浸種、催芽、播種を試しました。ところが、ひとめぼれ、はえぬきは、ほぼ完全に発芽したものの、でわのもちは8割に満たない程のまばらさで、催芽、播種のしなおしも考えましたが、なんとか田植が出来、収穫、そして採種にこぎつけました。

それでも、来年に向けての作付けは、細心の注意を払うつもりでも、ウルチ米の混入や、モチ米特有のウルチ米との交雑による「キセニア現象」の発現が心配です。br> 実は、平成5年の大冷害の年に「キセニア現象」という事で、でわのもちとはえぬきの出穂時期が重なり、交雑したモチ種子が農協より購入できなかった経験があります。 確かその時は、「逆塩水選」という形で、モチ種子をウルチ種子用の比重選を行い、浮いた籾を再び、低い比重で塩水選を行った記憶があります。あの時は隣県の他品種の種子を作付けした仲間もいました。ここ庄内では、例年になく早い地吹雪が舞い始めました。自然の摂理の中で思う様には歩めない、有機栽培の実際ですが仲間と共に、この場所で受けとめたいと思っています。



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